恋する少女


誰かに恋をする女の子はどうしようもなく可愛い。



しかしその対象が自分以外の男である場合、そのどうしようもない可愛さはやり切れなさを伴って僕の中に立ち上がる。
当然、自分に恋する女の子はそれだけで可愛い。当たり前だ──少なくとも僕にとっては。


誰かに恋をする女の子はお話の中でも同様に可愛い。
しかしその対象は絶対に自分ではない。
お話の中の誰かに自分を重ねることをしない僕にとって、お話の中の恋する女の子は常に僕ではない男のものである。


恋い焦がれる相手がどこかに弱さを持った男であれば、なんとなく受け入れやすいけれど、完璧な男が相手だと、お話の中の少女に対してもやり切れなさを感じてしまう。
高校生の男子にとって、同級生と付き合う大学生が憎むべき絶対悪であることとどこか似た感覚かもしれない。


となると、百合の良さというのはこの辺りにあるような気もする。
どんな相手に恋い焦がれていようとも、やり切れなさを感じることなく、安心して恋する女の子の可愛さを見ていられる。
たまこまーけっとのみどりちゃん可愛い。