マリッジブルー


二次性徴と思春期の頃ってさ、いつか自分も運命の異性を見つけてその人とあれやこれやしてあわよくば添い遂げるのかしらなんて思いがちだよね。
僕だけじゃないよね?誰でもそういうことちょっとは想像するよね?


確かにそんな大恋愛の末に結婚する人もいるのかもしれないけど、大概はそうじゃなくってなんかのきっかけで一緒になって、
それからいろいろとあった末になんとなく結婚したり結婚しなかったりして、死がふたりを分かつまでしたりやっぱり別れたりまあなんかそんな感じでしょう。
斯様な軟弱な恋愛など凡夫のすることである!俺は赤い糸を手繰り続けるぞ!と中学生の頃は思ってたとしても。


ところで最近、未来日記という漫画を読んだのですが、後半にすごくいいシーンがありました。
「依存できる人間なら(あなたじゃなくても)誰でも良かった/あなただって守ってくれる人間なら誰でも良かったはずよ」という言葉をヒロインが主人公に投げかけるんだけど、
そこで主人公は確かにそうかもしれないそうだったかもしれないと認めつつも「ずっと傍にいてくれたから」とヒロインを選びなおすんだよね。


シビれる!!
うんうん、これこれ!!って感じ。
運命の赤い糸じゃないんだよね。


「ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」っていう歌詞が流行ったとき、中二病真っ盛りの僕は「ナンバーワンならオンリーワンだろうが、ばかか」とか思ったものだけど、
オンリーワンという言葉を「たったひとつの素晴らしいもの」と解釈するのではなくて「自分にとっては代替不可能になってしまったもの」と解釈するとなかなか捨てたもんじゃない言葉な気がしてくるね。


時間の流れが不可逆な以上、僕らはあらゆる物事を偶然のめぐり合わせの中で選択し続けなければいけないわけです。
結婚直前になって、もっといい人がいるんじゃないかって思ったとしても多分もう駄目だよ。
もっといい人になり得た人はいるかもしれないけど、婚約者とつき合い始めたとこまで遡ってその人とお付き合い始めることなんかできないんだし。



結婚したこともないのに、する予定もないのに、なんかマリッジブルーについて思いついて書いてみたよ。
腐れ縁の友だちとかも要はこういうことだと思う。
当たり前のことなんだけど、なんかこういうことって忘れてしまいがちな気がする。
人生にはセーブもロードもありませんってだけのことなんだけど、なんかどうしてもたらればを考えちゃう、みたいな。


いかにたらればが詮無いことかっていうのは実際言語化するのがむずかしいのでこれからもいろんな言葉で形にしていきたい所存。
運命とはなんぞやって話でもある。かもしれない。