譜面の話

この記事を何回も書いては保存し損ねてを繰り返してるんで、ずいぶん更新の間が空いちゃいました。すみません。



新作が出る度に譜面についてあれこれ考えるのだけど、今回はRAとBOF2010が重なったこともあってますますいろいろ考えたので書いてみる。





ちょっと適当に古いとこから振り返ってみますかね。

初代5鍵で僕の記憶に残ってるのは20,Novemberのスネア縦連とSka a go goのあの譜面なのです。
ノベンバのスネアの縦連はリズムマシーンを意識したんだと思いますが、
譜面から曲を作っただけのことはある衝撃の譜面だと思います。
ただボタンを押すと音が出るって楽しさがある時代ですよね。
僕も始めたばかりの頃はそれがとにかく楽しかったです。



で、そのまま階段やらなんやらの話をすっ飛ばしてIIDXまで飛ばします。



IIDX初代は.59をはじめとするあのTAKA乱打が初登場したのが大きいと思うのです。
7鍵盤になって横に広がったフレーズの曲を作れるようになった、って確かコメントでも言ってましたね。
あれを螺旋+キックにしないであの乱打にしたことで何を叩いてるかはわかりづらくなりましたが、
叩きやすさと爽快感を重視した譜面ですね。


で、今度は3rdまで飛ばします。
3rdはTHE SAFARI、Holic、R5などの高難易度譜面が突如登場した回ですね。
その中でも僕が注目したいのはHolicです。
あの7/8の変拍子を譜面から先に作ったというんですからすごいです。
ゲーム的テクノのあり方を考えた末に作られたんでしょうね。
Holicに限らないですが、TaQはテクノの持つミニマル感とゲームに向いている派手な展開の共存についてずいぶん試行錯誤してるように思えます。



そして次に大注目なのが5thです。
Vですよ、ぶいっ!
あの白鍵交互は普通に考えたら同音連打なので縦連になってもおかしくないと思うんです。
でもそれではただやってても辛いだけです。
そこでいかに「譜面の見た目のインパクトから演奏感を感じさせるか」ということを考えたら末の結論なのだと思います。

「ピアノがスケールを弾いてるから階段譜面」という「音に合わせて演奏感を与える譜面」ではないのです。逆です。
これはTAKA乱打にも通じるところがありますね。

ちなみに5thはV以外にもsyncやStillのような高難易度が多いシリーズですね。




さて、ここからどんどん高難易度化が進むわけですが、意外なことにVはノート数で、10thのNo.13に抜かれるまで最高峰なのです。
7thのA、Colorsの追加アナザー、8thの桜、PLEASE DO'NT GO、9thのmoon_child、one or eightなど、
Vに匹敵する譜面は数多くあるものの、ノート数的には及ばないのです。

要するに5thで一旦のノート数の到達点を迎えるというわけですね。



そしてそれを越えるのが10thのNo.13です。
でもノート数の割にはVよりはるかに簡単なんですよね。

つまりVを境として高難易度譜面は物量から捌き辛さにシフトしてるんですね。
Vがいかに「楽しく叩ける高難易度譜面であるか」を目指して作られたのとは逆ですね。

あ、別にV以外の高難易度が叩いててつまらないってわけではないですよ。


REDではNo.13とquasarの人気を受けてだと思うんですが、
AAという脅威のノート数の乱打譜面が登場します。

軸、ハネ、32分など様々な要素が複合した、とにかく他に類を見ない譜面ですね。
そしてこれは新規参入したTatshとYOSHITAKAにTAKAがIIDX的楽曲作りの手本のひとつとして示した曲なのだと僕は思います。


一方、REDではBLOCKSや蠍火などの低ノート数の高難易度曲もあります。
この「ノート数の大きいやや高難易度楽曲とノート数は少ないけど叩きづらい超高難易度楽曲」という構図はREDが最後かもしれません。



続くHAPPY SKYでは冥の2000ノートが圧倒的な譜面として登場します。
REDはあくまでTAKAがメインだったのですが、HAPPY SKYからは3人体制になったことを象徴する曲だと思います。
TatshとTAKAの合作ですからね。


さて、実はこのTatshとYOSHITAKAの譜面作りなんですが、TAKAの試行錯誤に随分影響を受けてると思うんですよね。

YOSHITAKAはとにかく叩かせたいフレーズを派手に派手に作ってそのあとに譜面に落とし込んでると思うのです。
一方、Tatshはただの詰め込みにならないようにところどころに叩きづらい配置を用意しつつ見た目の派手さを考えています。

結果としてYOSHITAKAは多少詰め込みすぎに、Tatshは多少見栄え重視になってる感は否めませんが。





で、そこからちょっとざっくりとDD以降の譜面の話に入るのですが、どうにも高難易度に軸配置が多すぎると思うんですよね。


当然のことながら軸配置が多いとランダムの当たり外れに大きな差異が出ます。
嘆きの樹やmoon_childのように一箇所が当たるだけでは全体が当たらないような譜面ならいいんですが、
DOMINIONや不沈艦なんかは当たり外れがひどすぎて本当にひどいと思うのですよ。

そういう軸配置がどうして生まれるのかというとやっぱり曲を作ってからそれに合わせて譜面を作るからだと思います。

高難易度になるように音を大量に詰め込むと、ノイズのような音をたくさん入れるのではどうしても演奏感が出せないため同音連打が多くなりがちなので、
キックやスネアなどの八分配置にを多用することになって軸譜面になるのだと思います。

特にTAKAはSDじゃなくなったからか、DJT辺りからゲーム的楽しさを意識した譜面作りをしなくなってますよね。
当たり外れがひどかったり、強引な譜面が増えた気がします。悪く言えば適当に譜面を作るようになったと思います。



GOLDからはL.E.D.が本格参入したわけですが、これがまた譜面のひどさに拍車をかけている気がします。
キックは1鍵、残りはベースやシンセリフ、スクラッチはシンバルか声ネタと徹底してアサインしてるせいで縦に長い譜面ばかりになっています。

僕が主に文句を言いたいのはこの辺りなのです。
ゲームの為にかっこいい曲を書くのも大事だけど、その作った音をどう叩かせたら楽しんでもらえるか、という配慮や試行錯誤にかけてる譜面が多いんじゃないかと。
どういう譜面にしたら気持ちいいか、という考えが足りないんじゃないかと思うのです。



もちろん「このノートが何を叩いているのか」がわかりやすいのは大事だと思いますが、結果として単調な譜面になってると思うのです。
例えばTatshやTAKAはところどころでキックの位置をあえて7鍵に配置する部分があったりするんですよね。

わかりやすい例で言えばColorsのこの部分(http://textage.cc/score/6/colors.html?2AC00~34-49)とかです。
ここは本当に気持ちよく叩けるように考えられてる配置ですよね。


そういう練られた譜面がちょっと最近は少ないんじゃないかな、と!
MENDESやColorful Cokkieのような単調な繰り返し、EXUSIAやEvansのような極端な軸配置などがちょっと多すぎるんじゃないかと!


だらだら長くなったけど、言いたいことはようはこんなとこです。


そういう意味ではCNにはすごく期待してます。
単純な密度や軸配置や変速に頼らなくても難易度を上げられますよね。

Almagestなんかはまだ試行錯誤段階だと思うので、今後いかに無理なく難易度をあげたりアクセントにするのに使えるかにかなり期待してます。
実際、かずあそびやStay My Sideなんかはその辺本当にうまいですよね。





すっかり長くなりましたけど、とりあえずこんな感じですかね。
皿についても書こうと思ったんだけど、あんまり長くなってもあれなのでこんなとこにしときます。

明日からはいつもの近況報告というか報告厨日記でも書きますねー。